拾われた猫。Ⅱ
どうやら、彼らは彼女のした事を知っていたようだった。
どうやって知ったかは疑問ではあるが、問題はそこじゃない。
「……私の体は毒如きじゃ死なない。
刀を鍛えられたのも、あらゆる事態でも対応するため」
私が何を言いたいのか分からないのか、菊さんは首を傾げる。
「つまり、毒の耐性があるってこと。
猛毒なら特に、ね。
…まぁ全部じゃないと思うから、色々試してみればいいんじゃない?
1個くらい当たるかもよ」
嫌味のように彼女の顔を見て、ニッコリと笑った。
彼女は顔を真っ赤にしてその場を走り去った。
彼女の気配が完全に無くなった時、一斉に肩を震わせた。
堪えきれていない小さな笑い声が幾つか漏れていたので、私はキョトンとその様子を見つめていた。
「クククッ、雨もそんな風に嫌味言うんだな」
「あぁ、女版の山南さんだな…ククッ」
平助と新八の言葉に一がコクコクと頷いた。
「私が何ですって?」
真っ黒な笑顔が開いた障子から見えていた。
その瞬間、皆の背筋がピンッと伸びた気がした。