拾われた猫。Ⅱ
だが、その刀は彼女に当たることなく落ちていく。
「ぐ…あぁ…っ!」
刀が落ちたあとに、男も崩れ落ちた。
その後はピクリとも動かなくなった。
そこに居た集団は崩れ落ちた男の首元に刺さったクナイを見ていた。
「言い忘れたけど、あんたらが彼女を殺すより私の方が早いよ」
何が起きたか理解するための沈黙なのだろうか。
静寂の中でも私の足は止まらなかった。
「…くっそぉぉぉお!!!」
諦めたように向かってくる彼ら。
ほくそ笑んで、抜いた刀を存分に振るう。
応戦を楽しんでいると後ろから足音が聞こえた。
新手が来たのかと放っておいた。
「楽しまずにさっさとしろ」
聞きなれた声にパッと振り向く。
それを油断と取ったのか、襲ってきた相手を回し蹴りすると菊さんの横に飛んでいった。