拾われた猫。Ⅱ
そこに居たのは、新選組の幹部たちだった。
「なんで…」
驚きながらも1人ずつねじ伏せていく。
そして最後の1人が終わった後、皆の方を振り返る。
「平助に雨ちゃんのこと見張らせてたみたいだけど、雨ちゃんが撒いちゃうから」
睨みを利かせるトシとは真逆に、コロコロと笑いながら私の横に来た総司。
「それにしても総動員で来なくても…」
「居なくなったのが狙われてる2人だってなったら、総動員で探すに決まってんだろっ!」
平助に額を小突かれる。
その表情はどこか安堵したようだった。
そう言えば、と菊さんのことを思い出して振り返ると、丞に縄を切ってもらっているところだった。
痕がついた手足は痛々しい。
細い手首を擦りながら私の前に歩いてきた。
「…どうして、あのまま私を殺させなかったの……?!」
まだ震える肩で精一杯の虚勢を張ってみせた。