イジワル社長は溺愛旦那様!?
だけど同時に、彼が大人でとても優しい人だということは知っている。
いつも夕妃のことを気遣ってくれて、けれどそれを気づかせないように、夕妃が笑えるように気を配ってくれている。
(ああ……どうしよう)
神尾のキスが、次第に深くなる。
触れる時間が長くなり、熱っぽさを帯びる。
「……夕妃さん」
神尾が夕妃の名前を呼ぶ。
大きな手が、夕妃の肩を包み込む。
その声は少しかすれていて、神尾もまた今この瞬間、自分を強く求めてくれているのだと、唐突に、肌で感じていた。
出会ってたった三日。
恋をするには早いだろうか。
十日後なら、早すぎないのだろうか。
(いつだったらいいの。いや、よくない。私は恋なんかしちゃだめなのに……だめなのに……)
思わず顔を逸らしかけたところで、神尾が夕妃の耳に囁いたのだ。
「あなたを俺のものにしたい……」