イジワル社長は溺愛旦那様!?

だって、そうなのだ。

夕妃は、自分のことをどこにでもいるような普通の二十四歳OLと思っているし、実際、世間の認識と自分の認識はそう遠くない。
特別美人だとか、仕事ができるとか、そういうタイプではない。


「姉ちゃんはちょっと変わってるよ」


だが朝陽の感想は違うようだ。


「まぁ、俺は弟だからひいき目で見てるところあるけど」


変わっているイコールひいき目というのはよくわからないが、その変わっているところがよいということなのだろうか。


「さっきのヒトだって、たぶん姉ちゃんの見た目とかじゃなくて、なにかしらいいなって思ってくれることがあったんだと思う。そしてそれは姉ちゃんからしたら、本当にちょっとしたことで……そんなこと?って思うような些細な出来事だったりするんじゃないの。まぁ、とにかく見た目で好きになったとかじゃないんだよ」


高校生のくせして、妙に女性観が達観しているのはおそらく実母のせいなのかもしれない。

夕妃は弟の眼差しの先にある誰かのことを考えながら、夕妃はおどけたように首をすくめた。


< 200 / 361 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop