イジワル社長は溺愛旦那様!?
そしてのっけから強烈なメッセージが目に入る。


【ねえちゃん職場の男に告られてた】


「――ええっ！」


驚いた。


「これ、本当？」


湊は相変わらず笑顔だ。

いつものように、穏やかに笑っている。
だが……その目の奥の光は、尋常でないくらい冷えている。


「ほ、ほ、本当っていうか」


本当と言われれば本当だが、恐ろしさにすぐにイエスと言えない夕妃は、しどろもどろになりながら、思わず視線を逸らしていた。


「どうして目を逸らすの」
「どうしてって……」


（湊さんの目、なんだかすごく怖いんですけど……！　っていうか朝陽、朝陽、あの子ったらなんてことを……！）


確かに告白されはしたが、澄川もすぐに身を引いたし、そんなに問題はないと思うのだが――。


「夕妃。俺を見なさい」
「は……はい……」


低い声で名前を呼ばれて、夕妃がおそるおそる湊を見上げると、湊はかけていた眼鏡を外し、それをローテーブルの上に放り投げた。


< 203 / 361 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop