イジワル社長は溺愛旦那様!?
【湊さんのことでご相談したいことがあります】
【お時間あるときに聞いていただけませんか?】
とメッセージを送ると、それからすぐに電話がかかってきた。
「わ、わ、わ……っ」
ここで湊に聞かれては元も子もない。
夕妃は慌ててベッドから降りてリビングへと向かう。
「はいっ、夕妃ですっ」
すると電話の向こうから、焦ったような声が聞こえてきた。
【おい、どうした。まさかとは思うが湊が浮気でもしたのか?】
「えっ!」
【湊が浮気なんぞするはずがないが、もしそれをあえてやったというのなら、それはおそらく湊が必要だと判断したことだ。そう、たとえば今すぐこの場で浮気をしなければ両親や夕妃を殺すと言われたとか――だから夕妃、早まるな、俺が間に入ってやるから、湊と別れたりしないでやってくれ】
「もっ、基さん、ちょっと待ってくださいっ……!」
なぜか湊が浮気をした前提で話が進んでいた。
夕妃は慌てて基の発言を遮る。
【なんだ、どうしても別れたいのか?】