イジワル社長は溺愛旦那様!?
素直にうなずくと、湊はふっと表情を緩めて、夕妃の前髪をかきわけて、額にキスをした。
「俺もだよ。素直に言えて、いい子だね。じゃあ今晩は一緒に寝ようか」
(今晩は……?)
今晩“から”ではなく、今晩“は”という単語に引っ掛かったが、圧倒的湊不足の夕妃にそれ以上考える余裕はなかった。
湊の腕が夕妃の背中を抱き寄せる。
近づいてくる顔の気配を感じて、目を閉じた。
長い長いキス。
向かい合わせで彼の膝に乗せられて、とろけるような口づけの時間が続く。
湊の唇は柔らかく、舌は熱く、指先や手のひらは絶えず夕妃の体を撫でて、一時も離れない。
「一週間お預けしてたからかな……夕妃、いつも以上に反応がいいね」
湊は楽しそうにそうささやいて、ぼうっと夢見心地の夕妃の顔を両手で包み込み、微笑む。
(たしかにずっと、全身がぞわぞわして……ビクビクして……ふわふわしてるかも……)
「もう少し、先に進んでみようか」
「さき……?」
先の意味を考える間もなく、まるで繊細なガラス細工を扱うかのように、夕妃を抱きかかえて、後ろから抱きしめる。
湊は夕妃のうなじにキスをしてから、夕妃が着ていたパジャマのボタンを、下からひとつずつ外し始めた。
(えっ……ええっ……!)