イジワル社長は溺愛旦那様!?

素直にうなずくと、湊はふっと表情を緩めて、夕妃の前髪をかきわけて、額にキスをした。


「俺もだよ。素直に言えて、いい子だね。じゃあ今晩は一緒に寝ようか」


(今晩は……?)


今晩“から”ではなく、今晩“は”という単語に引っ掛かったが、圧倒的湊不足の夕妃にそれ以上考える余裕はなかった。

湊の腕が夕妃の背中を抱き寄せる。
近づいてくる顔の気配を感じて、目を閉じた。



長い長いキス。
向かい合わせで彼の膝に乗せられて、とろけるような口づけの時間が続く。

湊の唇は柔らかく、舌は熱く、指先や手のひらは絶えず夕妃の体を撫でて、一時も離れない。


「一週間お預けしてたからかな……夕妃、いつも以上に反応がいいね」


湊は楽しそうにそうささやいて、ぼうっと夢見心地の夕妃の顔を両手で包み込み、微笑む。


(たしかにずっと、全身がぞわぞわして……ビクビクして……ふわふわしてるかも……)


「もう少し、先に進んでみようか」
「さき……?」


先の意味を考える間もなく、まるで繊細なガラス細工を扱うかのように、夕妃を抱きかかえて、後ろから抱きしめる。

湊は夕妃のうなじにキスをしてから、夕妃が着ていたパジャマのボタンを、下からひとつずつ外し始めた。


(えっ……ええっ……!)


< 346 / 361 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop