イジワル社長は溺愛旦那様!?
下を見ながら書き物をしていると、はらりと髪が落ちて少し邪魔に感じた。
バッグから飾り気のないバレッタを取り出し首の後ろで留めていると、スマホがメールを受信する。
今日から夕妃を伴い二泊三日で関西入りであること、東京での予定をすべて変更するという湊からの業務連絡だった。
会社の夕妃の社内用メールアドレスから転送されてきたメールで、中身を見てみれば、恭子宛でCCの中に夕妃のアドレスもある。
(恭子さんにお土産買って帰らないと……)
そんなことを考えていると、今度は朝陽からのLINEが来た。
【おはよー週末会えるよ】
弟の言葉に、夕妃の顔は一気にぱーっと明るくなった。
【よかったー。お姉ちゃんは今から出張だから、また金曜日にでも電話するね】
【出張? 大丈夫なの】
【大丈夫なのって失礼な! 社長のお供なんだからバリバリ秘書してきますよ】
夕妃はニコニコと微笑みながら返事を打つ。
【量のみんなで食べられるようなお土産買ってくるからね】
【質より量だぞ】
【質より量ね。了解。勉強頑張ってね】
【OK】