イジワル社長は溺愛旦那様!?

ミニボトルとはいえ、一本開けているので頬は熱い。このまま横になりたいところだが、一度横になると起き上がる自信がなかったので、さっさと歯磨きを済ませることにした。


「だけどひとりだと、すごく独り言が多くなるんだなぁ……」


部屋を換気し、ごみを片付け、歯磨きもすませて、夕妃はベッドに倒れこんだ。
テレビをつけてみたが、とくに興味を惹かれるような内容もない。

リモコンですぐに消して、ベッドにうつぶせになった。





――プルルルル……。


(ううーん……なんの、おと……)


いつの間にか眠っていたようだ。
眠りの底から引きずり起こされて、夕妃は目を閉じたまま寝返りを打つ。


(でんわ……?)


手を適当に動かすと、枕元で充電していたスマホに手があたった。


「はい……」


眠って何時間たったかわからないが、さすがに夜中近いはずだ。

仕事ではないだろうと思いながら電話に出ると、

【夕妃?】

と低い声で、名前を呼ばれた。


(みたにさんじゃなくてゆうひ……って呼んだから……仕事モードじゃない……)


「湊さん……?」



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