美形鬼社長は、フランス人形に溺愛中!?

するとフランス人形が

『私のことは、キティって呼んでね。
あなたのことは……そうね。“ケイティ”と呼ぶわ。
私のこと怖いかも知れないけど、仲良くなりたいわ。
あなたのお祖母様のように』

『それに彩人も……あの子は、小さい頃に
両親が仕事で忙しくて1人で居ることが多かったの。
ずっと寂しい思いしていたのよ。
それで私がよく話し相手になっていたわ。
だから寂しさからの愛情が執着に変わってしまい
ちょっと依存っぽくなってしまったのよね。
私のせいでもあるから……許してあげてね』

優しい口調で言ってくる。

最初は、怖くて仕方がなかったけど……彼女は、
少し違うと思えてきた。

口調は、まるで我が子を心配する
母親のように優しい。

社長の小さい頃は……そんな
寂しい思いをしていたんだ?

少し違うけど私と同じだ……。

私も幼い頃に両親を亡くして
寂しい思いをしてきた。

祖母がそばに居てくれたら救われたけど……。

『……はい。』

少しでも社長の役に立てるなら光栄なことだ。

心臓がドキドキと高鳴りだした。

『さぁ、挨拶が終わったことだし仕事をしましょう。
ケイティ。ちょっと
後ろの企画書を取って下さらない?
それを私に見せて』

えぇっ?

後ろの企画書?
私は、慌てて後ろの方に行き見る。

確かに企画書が置いてあった。

これを彼女に見せればいいの?

私は、恐る恐るその企画書を手に取ると
彼女の前に見せる。

これでいいのかしら……?

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