美形鬼社長は、フランス人形に溺愛中!?

そうよね。
バレないように気をつけなくちゃあ……。

私は、改めて思った。

会議室に行くと私は、キティをスクリーンに
見えるように置いた。
これで、副社長のキティも会議に参加が出来る。

うん?

すると他の会議に参加している社員や上役の人は、
ジロジロとこちらを見てきた。

もしかして私の
この格好に疑問を抱いているのだろうか?

うぅっ……恥ずかしいけど
気にしていたらダメ。

とにかく会議を聞いてなくては……。

「では、会議を始めてくれ」

社長が助け船を出してくれた。

会議は、順調よく進んで行くと思っていた。
だが、

「ダメだ。そんなやり方をしていたら
会社の質が下がる」

「この企画書で作るなら……」

社長の厳しいチェックと指摘が入る。

今朝も思ったがキティと居る時と
仕事のしている時の態度や表情が明らかに違う。

キティの時は、甘えるようにベタベタのくせに
今は、鬼社長って思えるほど怖い。

どっちが本当の社長かしら?
いや、どちらも本当よね。

社長には、いろんな顔を持ち合わせている。

いいなぁ……いつか私にしか見せない顔は、
見せてくれないものだろうか。

そう思うとギュッと胸が張り裂けそうだった。
苦しい……。

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