美形鬼社長は、フランス人形に溺愛中!?
その言葉に深く傷つく。
確かに、学歴がある訳ではないし
何故私が採用してくれたのか気になっていたけど
まさか、キティに似ていたからだなんて……。
「あら、そうなんですの?
彩人様ったら悪趣味だわ。わざわざ
人形と似ている人を探して
採用するなんて……鑑賞用にでも
なさるおつもりかしら?」
クスクスッと笑われる。
何だか恥ずかしさと悔しさで
その場から逃げ出したい気分だった。
な、何なの!?
失礼な人……。
「人の趣味だ。放っておいてもらおう。
それよりも本当は、何の用だ?
他に目的でもあるのではないのか?」
ギロッと女性を睨み付ける社長。
「あら、用がないと会っても下さらないの?
フフッ……新しい女性秘書が雇ったと聞いたから
一度ご挨拶をしに来ただけですのに……」
クスッと笑うと私の前に近付いてきた。
ビクッ!!
何だか怖くなり私は、後退りした。
「お、おい!?
無闇にケイティに近付くな!!」
「はじめまして。私は、
一条寺財閥の一条寺美千香と申します。
彩人様の婚約者ですわ」
えっ……?
社長の……婚約者?
「それは、親が勝手に決めた話だ!!」
社長は、それを全力で否定する。