美形鬼社長は、フランス人形に溺愛中!?

『そ、そうなんだ!?』

人形は、長年大切にすると魂が宿ると
言い伝えがあるけど
キティは、まさにその例だ。

でも、まさか……そんな器用なことが出来るなんて
思ってもみなかった。

『まぁ、直るまでこの状態だけど
よろしくね?ケイティ』

『は、はい。分かりました』

私は、慌てて返事する。

すると社長は、

『しばらくではなくてすぐに直させるべきだ。
なんて哀れな姿なんだ……。
あの絹のように柔らかく美しい金髪。
透き通るような白い肌に綺麗な宝石のような青い目。
あの姿が、キティに相応しいと言うのに』

凄く残念そうに言ってくる。

社長……キティに溺愛しているものね。

『やはり……許せない。
あんな美しいキティの身体を傷ものにして。
しかも、ケイティまで……婚約破棄だけではなく
もっと深い処罰を与えたいぐらいだ!』

社長は、ブツブツと文句を言い出した。

いや……それは……。

『もう彩人ったら
大げさなんだから……あれぐらいの傷なんて
大したことではないわ。痛くも痒くもないし』

『キティは、優し過ぎるんだ!!
あれは、犯罪なんだぞ!?
一歩間違えたらケイティには、
一生消えない傷を背負わせるつもりだったんだ。
そんなの俺が許さない……』

『あら、大丈夫よ~その時は、
私が、きちんとお仕置きをしてあげるから』

フフッと笑うキティ。

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