美形鬼社長は、フランス人形に溺愛中!?

私は、日本人のふりして振り返った。

「はい。何かしら?」

私に声をかけてきた男性は、
30代になるかならないかの年で
明るめの茶髪をしたイケメン男性だった。

この人も報道陣の1人だろうか?

そうには、見えないけど……。

「君、さっき。あそこのマンションで
出てきたよね?もしかして……」

そう言いながらジロジロと私を見てくる。

ビクッ!!

怪しんでいる……間違いなく。

「そ、そうだけど……。
下に取材陣が居て困っているのよね。
な、何かあったのかしら?」

必死に誤魔化そうとする。

「あぁ、このマンションに有名なおもちゃ会社の
美人外国人秘書が住んでいるみたいだね」

「そう。それは、知らなかったわ」

このまま誤魔化すのよ。
私は、赤の他人。日本人よ……。

「まぁ、俺は、呪いのフランス人形より
こっちの美人外国人秘書に興味があるけどね。
ところでさ~フランス語で“おはよう“って
何て言うの?」

「あぁ、それは……ボンジュール……あっ!!」

私は、ハッとして手で口を押さえる。

するとニヤリと笑う男性。

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