美形鬼社長は、フランス人形に溺愛中!?
「あ、あの……あなたは……」
どうしよう。
もう誤魔化し切れない。
「あ、おい。
あそこに居るのって、おもちゃ会社で話題の
美人外国人秘書ではないか?」
すると街中の人達が私に気づいてしまった。
えぇっ!?
周りに騒がられてしまい私は、動揺してしまった。
ど、どうしよう……。
その時だった。
私を見破った男性は、私の手を引っ張ってきた。
「話は後だ。逃げるぞ!?」
「えっ……?」
何故か私を連れ出して一緒に逃げ出す男性。
私は、意味が分からず一緒に走った。
走り続けると
近くにあったカラオケボックスに逃げ込んだ。
一室に入ると
お互いに息を切らして座り込む。
一体……何がどうなっているの!?
この男に正体をバラされるし、周りに見つかると
一緒に逃げてくるし……。
息を切らしながら、その男を睨み付けた。
「あ、あなたは、誰なの!?」
息を切らしながら言うと
その男は、私を見るなりニヤリと笑う。
「あぁ、自己紹介まだだったね。
俺は……こういう者だよ!」
ポケットから名刺を出して渡してくる。
その名刺を見ると……。
『フリージャーナリスト
柚木龍臣(ゆずき たつおみ)』と
書かれていた。