美形鬼社長は、フランス人形に溺愛中!?
えっ?何で!?
この人がココに……。
「柚木さん!?」
私は、驚いて彼の名前を呼んでしまった。
「嬉しいな……ちゃんと名前を覚えてくれたんだ?」
「な、何で、あなたがここに?
しかも清掃業者の格好までして……」
まさか、この会社に潜り込んだというの!?
動揺していると柚木さんは、
「あぁ、これ?なかなか似合っているだろ?
ジャーナリストなら戦地まで乗り込んで
取材をするなんて当たり前だぜ。
どうやらここの社長は、かなりガードが固くてね。
だから、こうやって変装までして
証拠を集めているって訳だ。早速見つけたけど」
「その人形が例の呪いのフランス人形だろ?
確かに……君にそっくりだね。驚くほどに」
えっ……?
ハッ!!
いけない。
今は、キティを連れて居るのだったわ。
私は、慌てて背中を向けて
キティを隠した。
彼女は、ずっと人形のふりをしていてくれた。
「何で隠すのさ?
何もない人形なら少しぐらい見せてくれても
いいだろ?」
「ぜ、絶対にダメよ!!
これは、社長の大切な預り者なの。
許可もなく勝手に見せられないわ」
私は、必死にそれを拒んだ。