美形鬼社長は、フランス人形に溺愛中!?

人形が眠ること自体驚きだけど
いびきをかいているから、なおさら驚きだ。

『キティ。起きて下さい。キティ』

私は、キティを起こした。
まだ見てほしい書類もあるから

『うごっ。ハァッ……あら、嫌だ。
私ったら、いつの間にか眠っちゃったのかしら!?』

あ、起きたみたいだ。

『フフッ……いびきまでかいていましたよ?』

クスクスと笑いながら言うと

『えっ~いびきまで!?
あら、嫌だ……お恥ずかしい……』

キティは、照れていた。

キティは、普通の人形と違い話したり
不思議な力があるから不気味に思われがちだけど
意外とおちゃめな部分がある。

それが彼女の魅力だった。

『それより社長は、見かけませんでしたか?
書類を社長と一緒に見てほしかったのですが……』

『あら、それなら
さっき社員の人に呼ばれて……』

キティが場所を言いかけたとき
ガタッと音がした。

えっ……!?

後ろに振り返ると
いつものように清掃業者の格好をした
柚木さんの姿があった。

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