美形鬼社長は、フランス人形に溺愛中!?
「ケイティ……?」
「そう。ケイティが居るわ。
あなたをずっと愛して支えてくれるわ。
人形の私なんかよりも……ずっと」
「私は、人形。本来なら目覚めたらいけない
存在なの。
そして……早く気づいて。
あなたを本当に愛してくれる存在を……」
キティの言葉は、
社長にどう響いたのだろうか。
私は、それを知らずに
悲しい気持ちで過ごしていた。
その際に、言われた通りに柚木さんに
電話する。
すると明日の夜に
指定されたホテルのバーに来てほしいと言われた。
ホテル……。
私は、その日に
柚木さんの恋人にならないといけない。
彼と関係をもったら
もう……社長の顔がまともに見えなくなる。
辞めよう……。
そしてフランスに帰ろう。
二度と自分の気持ちを裏切らないように。
日本を離れようと誓った。
翌日。
私は、社長に辞表を渡した。
『何だ……これは?』
『辞表です。今月一杯で仕事を
辞めさせて下さい』