美形鬼社長は、フランス人形に溺愛中!?
『き、キティいつの間に!!?』
『あ……あぁ。またまた、ごめんなさい。
驚かせるつもりなんて無かったのだけど……。
随分と落ち込んでいる様子だったから
心配になって。大丈夫?』
キティは、相変わらず心配そうにしてくれた。
彼女は、どうしてこうも
優しいのだろう。
この優しさが……社長は、心地いいのだろう。
『大丈夫です……すみません。
私……本当に何もかもダメダメで……』
あぁ、泣きたい。
泣いたらキティが余計に心配するから
出来ないけど……。
『ケイティ……あなたは、十分頑張っているわ。
あと足りないとしたら彩人自身の問題よ!
あの子を甘やかしてしまったのは、私だから。
私が言うのは、おかしいけど……やっと
自立出来るきっかけを作ることが出来たの』
『それは、あなたのお陰よ!
だから、最期まで見守ってあげてほしいわ。
私の分まで……』
えっ……?
『キティ……?』
彼女の言いたいことが分からなかった。
でも、何だか胸がギュッと締め付けられような
気持ちだった。
まるでキティが……消えてしまうような
気がしてならなかった。