美形鬼社長は、フランス人形に溺愛中!?
何故笑うの……?
不思議がっていると
「君は、少し自分を卑下し過ぎだ。
もっと自分に自信を持っていいのではないか?」
ひが……?
よく分からない日本語だけど
自信を持てる訳ではない。
好きな人に好きと言ってもらえない事実。
それどころかキティの代わりでしかないのに……。
「無理ですよ……私は、好きな人にも
まともに向き合ってもくれないのに……」
「それって……社長のことだよね?」
ビクッ!!
柚木さんに社長の名前を呼ばれて
動揺してしまう。
「……はい。そうですが……」
「ふーん。やっぱり。
社長って、何か冷たい感じがするよね?
人を人と見ていないと言うか……誰にも
心を開かないって感じで」
「そんなことないです!!」
私は、その言葉に反応して大きな声を出して
立ち上がってしまった。
ハッとして周りを見てみると
他の客にジロシロと見られてしまう。
は、恥ずかしい……。
私は、慌てて席に座る。
「すみません……大声を出して。
社長は……本当は、優しい人です。
そりゃあ、鬼みたいに厳しいところもあるけど
本当は、誰よりも真面目で寂しい方なんです」