美形鬼社長は、フランス人形に溺愛中!?

「当たり前ですよ。社長。
人形であるキティ様が会話も出来て副社長を
やっているなんて世間が知られたら。
ニュースになってしまいます!」

西野さんが心配そうに言った。

そうよ!確かにそうだわ。
こんなの知れたら日本……世界中が
騒ぎになってしまうわよ!

「まぁ、確かに。
キティにもしものことがあったら大変だ。
そうではなくてもキティは、
人の目を惹く美しさがあるし……」

いやいや、人の目を惹く美しさより
恐怖でしょう!?

すると、ノックの音が聞こえてくる。

「社長。会議の準備が整いました」

「おっと、いけない。社長。
会議の時間でございます。すぐに支度を」

西野さんが腕時計を確認しながら言ってきた。

会議!?

「しかし……」

「彩人。私は、残るわ。
彼女も居ることだし、もう少し話をして
理解してもらいたいわ」

フランス人形は、社長に向かって言ってきた。

わ、私と……!?

「そうか。キティに離れるのは辛いが
仕方がないな。おい、君。
くれぐれもキティに失礼のないように接しろ」

それだけ言うと西野さんと社長室から出て行ってしまった。

えっ?
私と彼女と2人きり!?

嘘でしょう……。

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