美形鬼社長は、フランス人形に溺愛中!?
それから数日後。
柚木さんが現れて真実を教えてもらった。
キティは、社長を成長させるために
荒療治として、この計画をやったことを……。
私を誘惑して社長を気づかせること。
自らの意思で歩かせることが本来の彼女の
目的だったらしい。
そこには、社長に対する愛情が詰まっていた。
社長は、しばらく塞ぎ込んでいたが
西野さんのサポートと私の支えたこともあって
少しずつ前向きに歩き出した。
キティの抜け殻は、
専門の神社で供養してもらうことに。
これで、キティも安らかに眠ってくれるといいが。
ううん。
もしかしたら……きっと
また出会えるような気がする。
そんな風に感じた。
それから数年後。
春になり桜が咲き始めた頃。
小さな女の子が
鼻歌を歌いながら窓を見ていた。
「ふんふん~♪」
『マリア。マリア~あ、そこに居たの?
パパが帰って来たわよ』
『はーい。ママ』
そう言いながら椅子からおりる。
しかし、自分の腕をブンブンと振りながら
クスッと微笑んだ。
『やっぱり、身体が動く方がいいわよね。
ねぇ、そう思うでしょ?ケイティ』
ボソッと呟いた。