恋愛白書
「とりあえず光の席いこ」


あたしは光と光の席に向かう。
ちょうど前の席の人がいなかったからそこに座る。


━━ガタッ


隣の人がイスに座る音。

何気なく横に目をやる。

はじめてみる男の子がそこにはいた。

そしてふと、机の上に目をやると
ペンケースがあって。

そのペンケースのデカデカと書かれた文字に
あたしの胸はキュンとなる。


”杉森”


そうデカく書かれていた文字。


そうかあたし。
彼の顔があまり見えなかったんだ。

隣に座ったのがほかでもない
この前バレーボールをしている姿をみて
人目惚れをした彼だってことがわかった。

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