恋愛白書

「丈くん、写真！」


電車のなかでまちゃが杉森くんに声をかける。

いいな。あたしも撮りたい


「...みんなで？」


杉森くんがあたしたちの席にやってくる。


「違うよ！やしなと二人！」

「え！？」


まちゃの言葉に挙動不審になってしまう。


「写真撮るくらいならいいけど」


杉森くんがあたしの顔を見る。


「ほんと！？」


自分の顔がみるみる笑顔になっていくのがわかる。


「じゃあ撮ってあげるからやしなのスマホ」


まちゃがあたしに手のひらを出す。


「あ、はい」


まちゃの手にスマホを載せる。