恋愛白書
「俺さ」


気がついたら口が開いていた。

「ん?」

「なんとも思ってない子にプレゼントとかするような気前いいやつではないよ」

「え?」


ネックレスをつけ終えたのでやしなを自分に向ける。


...言いたい。
素直にそう思った。


「俺、やしなが好き」

「...ほんと?」


やしなの目がさらに開かれる。
びっくりしている様子が伺える。


「実は結構前から。恥ずかしい話、みんなにやきもち焼いてた」

「え?」

「俺さ、やしなが好きって言ってくれたときは実際好きじゃなかったんだ」


俺の話を聞きながらやしなはゆっくり頷く。

心地よかった。
幸せってこういうことを言うのかなって思った。


< 148 / 447 >

この作品をシェア

pagetop