恋愛白書
「ありがと」

「終わったら教室な」

「うん」


そう言って丈に手を振る。


丈はあたしをちゃんと見てくれてる。
自分だけを見てなんて贅沢なんだ。


丈はちゃんとあたしのこと考えてくれているんだから。
絵里香さんのこと好きだって
あたしの思いのほうが強かったって
いいじゃない。


あたしは自分にそう言い聞かせた。


いつもこうやって言い聞かせるんだ。
言い聞かせないと
絵里香さんのこと気になってしかたなくなっちゃうから。



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