恋愛白書
「あ、そうなんだ」


...あれ。
約束忘れちゃったのかな。


さっきまで膨らんでいた気持ちは
一気にしぼんでくれる。


「帰ろうか、光」


あたしは光の制服のすそを引っ張る。


「う、うん」


できない約束ならしなきゃいいのに。
こんなのは初めてだった。


「あたしって丈とちゃんと付き合えてるのかな」


歩きながらぼそっとつぶやく。


「なにいってんの。ちゃんとラブラブじゃん」

「約束忘れられたもん」

「それはね。丈くんも疲れてたんだよ」


光があたしの頭を撫でる。


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