恋愛白書
「やしなあれ」


公園の近くで光が立ち止まる。


「ん?」


光の言葉に公園を見る。


「...っ」


公園には丈と絵里香さんの姿。

ブランコに乗って二人で話してる。


あ、れ。
あたしとの約束忘れたのって
絵里香さんに誘われたから?


「光...」

「ん?」

「あたし、自信なんかない」

「丈くんの彼女はやしなだよ。胸張って」


光があたしの背中をポンっと叩く。


「ありがと。でも今日はこのまま帰る」


あたしは光に背を向ける。


「わかった。また明日ね」


光の家との分岐点がここ。
この公園は丈との分岐点でもあるから
いつも公園で話してたよね。

そんな場所で話すのはあたしだけがよかった。
こう思うのは欲張りなのかな。


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