恋愛白書
「俺も今日そのぐらいで部活終わるから送ってくよ」

「ありがと」


やしながにっこり笑う。


「終わったら教室な」

「うん」


やしなが手を振るから俺も手を振る。


「仲良しだなー。やしなちゃんと」


神谷が俺にボールを渡してくる。


「さんきゅ。別に普通」

「いいなー」

「は?彼女作ればいいじゃん。神谷モテるし」


俺はボールを回しながら言う。


「そうじゃねぇよ」

「は?」

「好きな子と付き合いたいじゃん」

「だから付き合えばいいだろ」

「俺が好きな子と付き合ったら丈が別れることになるよ」


神谷がにこっと笑う。


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