恋愛白書
「...丈」


体育館を出ると絵里香が壁に寄りかかっていた。


「絵里香」

「相談、あるの」


絵里香の瞳は涙がこぼれそうだった。


「...どした?」


俺は今にも泣きそうな絵里香の腕をつかむ。


「蒼くん...」

「何?また喧嘩?」


絵里香が首を横に振る。


「振られた」

「は?」


絵里香の言葉の意味が理解できなくて、反応が鈍る。


「別れよって言われちゃった」

「...え...」


予想外の出来事に俺の頭は真っ白になる。


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