恋愛白書
「ごめんね。丈だって忙しいしやしなちゃんいるのに」

「いや、今はやしなのことより絵里香だろ。とりあえず帰ろう」


俺は絵里香の腕をつかんだまま歩き出す。


「ありがとう」


絵里香も一緒に歩き出す。


「丈?帰るの?」


玄関の手前で声をかけられる。


「ああ。また明日」

「ばいばい」


声をかけてきたのは神谷。

でも今は神谷のことも気にならなかった。

絵里香が泣いてるから。


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