恋愛白書
「ここで話そう」
公園のブランコに絵里香を座らせる。
「いつ?いつ振られた?」
「昨日」
「理由は?」
「聞けなかった。別れようって言われたけど聞けなくてそれ以上」
「...そっか。泣いてんじゃん。絵里香」
俺は絵里香の涙を拭う。
「丈みたいに優しい人が彼氏ならよかったのにね」
「別に兄ちゃんだって優しくなくはないだろ」
「...そうだけど。あたしを一人にした」
「一人?」
「あたしそんなに友達もいないし。蒼くんがいなくなったらもう...」
絵里香の涙がどんどん出てくる。
絵里香の涙なんか見たくねぇ。