恋愛白書

葛藤-Yashina-

「やーしなーちゃーん」


部活が終わって帰ろうと玄関に向かうと声をかけられた。


「神谷くん?」


クラスメイトの神谷くんがそこにはいた。


「一緒に帰らない?」


神谷くんがにこっとあたしに笑いかける。


「なんでまだいるの?バレー部とっくに終わったはずじゃあ…」


今日はバレー部のほうが先のはず。


「待ってた」

「え?」

「やしなちゃんと帰りたくて」


神谷くんが歩き出す。


神谷くんとはほぼ話したことなかったはず。
丈と同じバレー部で、少しだけ話したことあるぐらいだよな。

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