恋愛白書
「丈!!」


後ろから走ってくる音が聞こえたかと思うと制服の裾を掴まれる。


「なに?俺これから後輩の家に行くから忙しいんだけど」


俺は後ろを向かないで言う。

...冷たすぎたかな。
ほんとは走ってまで追いかけてきてくれたのがうれしいのに。


「歩きながらでいいから」


やしなの言葉には返事せずそのまま歩き続ける。


「あのね。神谷くんとはなんでもないの」


...そんなのわかってる。、
何かあってたまるか。


「だから?」


俺の素直じゃない心は勝手に話す。


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