恋愛白書
「だって、しょうがないだろ。神谷がいるんだし。お前が神谷にいったって俺は何も言う資格なんかないし」


俺はやしなに背を向ける。

本当に俺でいいのかわからなくて。
俺じゃ幸せになんかできない気がして。


「どうして?俺に来いとか言ってよ。それだけで女の子は安心するんだもん!」


やしなが後ろから俺に抱き着いてくる。

こんなシチュエーション初めてで
心臓の音が聞こえるんじゃないかとひやひや。


「そんな恥ずかしいセリフ言えるかよ」


俺はぼそっと呟く。

ふと時計をみると後輩との待ち合わせ時間に近づいていた。


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