恋愛白書
...やべ。


俺はくるりとやしなの方をむく。


「俺これから後輩の家で打ち合わせなんだ。今は話してる暇ないんだ。ごめんな?」


やしなの涙を拭う。


「わかった」

「夜電話するから」

「…うん」


やしなの返事を背に俺は走り出す。



夜、ちゃんとしよう。
俺のこといつも追いかけてくれて
ありがとう。

ちゃんと素直になるよ。


素直にならないと。
何も始まらない。


好きな子を失うなんて
嫌なんだ。

こんなに近くにいるのに。
失いたくなんてない。

プライドなんて
くそくらえだ。


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