恋愛白書
あたしは祐樹の友達がいるところまでドーナツを加えたまま歩く。


...あれっ


幻覚かもしれない。


顔を出してみたものの
幻覚が見えてまた隠れたくなった。

いや、幻覚じゃないかも。
祐樹バレー部だ。

バレー部の後輩の家に行くって言ったよね。


目の前に丈がいると思ったら
口元が緩んで、加えていたドーナツを落とす。


「何やってんの!バカ」


お母さんがバタバタと走ってくる。


「...やしな」


丈があたしの名前を呟く。


「あら?やしなともお友達なの?」


丈の言葉にお母さんが反応する。


「あ。祐樹はバレー部の後輩です」

「あら。じゃあ、やしなとは同じ学年なのね?」

「はい」

「丈!トイレ!こっち」


あたしは丈の手を引っ張る。


「ここ!入って!」


そのまんま丈をトイレに押し込む。

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