恋愛白書
「だってほかのやつ好きなヤツより俺のほうがいくない?」


神谷くんが笑顔でそういってくる。


丈はあたしのことが好きだよ。
そういいたかった。

でもなんか自意識過剰な気がして。


「神谷」


後ろから神谷くんを呼ぶ声。
大好きな声が降ってきた。

神谷くんと一緒にあたしも振り向く。


「俺、こいつ好きだけど?」


丈が神谷くんとあたしの間に立つ。

よかった。
自意識過剰なんかじゃなかったね。


「...丈」


本当にありがとうだよ。

丈はあたしの手をとる。


「俺の好きな人勝手に決めんなよ」


神谷くんの頭を叩く。


「より戻したのかよ」


神谷くんがふくれっ面。

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