恋愛白書
「あ、モリー終わったみたいだ」


光が教卓を指さす。


「ほんとだ」

「何番だろ」


知ったからと言ってそれを引ける保障はないけど。


「モリー何番?」

「5」


指をパーにして答える。


「よーし。女子だよ」

「5番だよ!」


まちゃと光に背中を押される。


緊張するなぁー。


あたしは教卓に向かう。
やっぱり修学旅行は中学生活で
一番のメインだし。

なるべくならたくさんの時間を
丈と過ごしたい。

丈と時間の共有をしたい。
丈と思い出の共有をしたい。

あんなことあったよね。って
高校生になってもいくつになっても
話せる。

そんな思い出がたくさんほしい。

5番。
5番。

お願いだから5番をあたしにください。

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