恋愛白書
「なんか断られたし」


数分後、丈が残念そうに戻ってきた。

しゅんとしちゃって、かわいいな。


「残念だね」

「俺すっごい嫌なんだけど」

「丈?」

「なんで中学生活の一大イベントで一緒なのが神谷なんだよ」


そういう丈はほんとに悔しそうで。


「どこかで一緒に過ごしたいね」


あたしは丈の顔をのぞき込む。


「ほんとなら神谷と話して欲しくない」


丈がふくれっ面になる。


「...丈」


「そんなの無理だってわかってるけどな」

「神谷くんだっていつまでもあたしのこと好きじゃないでしょ」

「そんなあいつころころ変わんねぇよ。一応部長と副部長の仲だからな」


丈がため息をつく。


去年三年生がいんたいしてから
丈はバレー部の部長。
神谷くんは副部長になってた。

「できることなら丈の言う通りにしたいけど。おなじ班だし無理なんだよね...」

「わかってる」

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