恋愛白書

「ねぇ、俺誰かわかってる？」


神谷が自分を指さす。


「は？」


こいつ頭おかしくなったのか？


「…何、言ってんだ？お前ついに頭おかしく…」

「なってねーよ」


俺の言葉を遮って言う。


「じゃあ…」

「俺が好きな子は？」

「は？」

「俺がこんなチャンス逃すと思う？」


神谷がニヤっと笑う。


「てめーむかつく」

「俺はずーっとお前がむかついてるけどな」


少し寂しそうな顔になる。


「いい。もういい」

「わかってくれたんだ？」

「お前と話すなって言うからいい」

「独占欲たけー」


神谷が可笑しそうに笑う。


「お前にはないのかよ」

「あるよ」

「あるのかよ」

「あるけど、それ使える役割もらってないから。独占欲出せる立場なだけ羨ましいよ」


神谷が俺をみんなのいる方にむかせる。