恋愛白書
「なんか断られたし」


俺が戻れば


「残念だね」


眉を下げて本当に残念そうにするやしな。


「俺すっごい嫌なんだけど」

「丈?」

「なんで中学生活の一大イベントで一緒なのが神谷なんだよ」


はぁっとため息が出る。


「どこかで一緒に過ごしたいね」


やしなが俺の顔をのぞき込む。


「ほんとなら神谷と話して欲しくない」

「...丈」


やしなの顔は困り色だった。


「そんなの無理だってわかってるけどな」

「神谷くんだっていつまでもあたしのこと好きじゃないでしょ」

「そんなあいつころころ変わんねぇよ。一応部長と副部長の仲だからな」


わかってる。
神谷がまだ好きだってことぐらい
ずっとわかってる。


「できることなら丈の言う通りにしたいけど。おなじ班だし無理なんだよね...」

「わかってる」


俺はやしなの頭を撫でる。


不安しかないけど。、
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