恋愛白書
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「じゃあ班ごと集まってくれー」


担任の声にぞろぞろとみんな歩き出す。


「やしな」


歩き出そうとしているやしなを呼び止める。


「丈」


やしながニコッと笑う。


「神谷と班長同士なんだろ?」

「そうみたいだね」

「あーあ。めっちゃ嫌だ」

「大丈夫。あたしは丈が好きなんだから」


やしなの手が俺の頭に乗る。

撫でられてる。


それだけで気持ちが晴れるほど
俺って単純だったっけ。


「今日部活ないもんな」

「うん」

「帰り、一緒な」


俺がそう言えば


「うん!」


とびっきりの笑顔で返してくれる。


「その笑顔見れればいいや」


俺はそのまま5班に向かう。



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