恋愛白書
「丈くん」


女子のほうの班長の篠原が俺の隣の席に座る。


「…篠原」

「よろしくね」


ニコッと俺に笑う。


「おー」


俺はあまり篠原を見ないように席につく。


こいつには
何度告白されたかわからない。


小学生のときずっと同じクラスだったから
告白の回数軽く15回は超えてる気がする。


こんなことやしなには言わないけど。
不安にさせたくないし。


「残念だね」


突然篠原に話しかけられて肩がびくっとなる。


「え?」

「やしなちゃんと違う班で」

「あ、あぁ」


ついに諦めてくれたのかな。


いままでは俺には彼女という存在がいなかった。

でも今はやしながいるから。


だから、大丈夫な気がする。

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