恋愛白書
「近すぎ」


俺はぼそっと呟く。


「え?」


篠原には声が届いてたみたいで聞き返させれる。


「いや。なんでもない」


俺は配られた紙に目を移す。


「竜二、きになる?」


篠原が持っていたペンで3班をゆびさす。


「まぁな」


篠原が指した方には
神谷と仲良く話すやしながいて。


──ブチッ


力を入れすぎたらしく、シャーペンのしんが折れる。


「丈くん、すごい好きなんだね」

「え?」

「そんなふうになってる丈くんみたことなかったから」


たしかにそれなりにクールタイプで生きてきた。


やしなに関しては感情が乱れる。
特に神谷といると。


「まぁ、やしなは特別かな」

「すごいね。やしなちゃん。あたしにはできなかったのに」


篠原が寂しそうな目になる。


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