恋愛白書
「うちの学校さー打ち合わせの時間少なすぎだよね」


1通り聞かれたことに答えたあとに篠原が笑う。


「だな。もう明後日とかおかしな話だよな」


打ち合わせを二日前にやる学校なんて
普通ないと思う。


「丈くんと同じ班でよかったよ」


篠原が静かに言う。


「そ?ありがと」


俺は篠原の気持ちには気づかない振りをする。


「たぶん、これが最後だから」

「え?」

「丈くんと過ごせる思い出」


篠原がふふって笑う。


「高校、どこ行くつもり?」

「N高だよ!丈くん頭いいからもっと上にいくよね」

「あー…」


俺は口に出せなかった。

自分も、同じ高校だなんて。


「あそこ、ソフトボール強いから」

「そういや篠原ソフトボールだもんな」

「うん。やっぱり部活続けてたいから」


小学生の頃からずっと野球に関わってきたこいつを知ってる。

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