恋愛白書
「っ」


俺の予想は的中で。

神谷入り口にいるやしなに声をかけて
廊下につれてった。



…なんだよ。
あれ。

手招きなんかしちゃって。

俺だって今日まだ話してねぇのに。


俺の心にはまた黒いものが支配する。


「篠原」


俺はふと篠原を呼ぶ。


「ん?」

「今日、帰り一緒に帰ろう」


無意識にそう言っていて。


「え!?いいの!?」


気づいたときにはもう篠原のボルテージは最高潮で。


〝やっぱりやめた〟


なんて言えるわけなくて。


「いいよ」


ということしかできなかった。


やしなが悪いんだ。

神谷になんかついて行くから。


俺は、やきもちでやばいんだよ。

こんなに独占欲強いなんて
ほんと俺、ばかみてぇ。


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