恋愛白書
「おはよ」


丈があたしに微笑む。


「お、おはよ」


どもっちゃった。

まさか、声かけてもらえるなんて思ってなかったから。



「なにどもってんだよ」


丈が笑う。


「いや、朝だから」


わけわかんない言い訳に自分で恥ずかしくなる。


「楽しもうな」


丈があたしの頭をぽんっと叩く。


「うん」


こんなちっぽけなことでうれしいなんて。
ほんと、片思いみたい。


今はあたしのほうが好きな気持ち多いよね。
だから、片思い。

今はって言うかいつまでもの方が正しいかな。


「なんだ結構普通じゃん」


丈がいなくなったのを見計らって、神谷くんが声をかけてくる。


「うん。嬉しかった」

「よかったじゃん。楽しくなるといいな」


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