恋愛白書
「あたし!トイレ行ってくる!」

「え!?ちょっ!やしな!?」


神谷くんの声が聞こえたが無視。

トイレに行くには丈たちの横を通り過ぎなければならない。

今のあたしは、一刻も早くここからいなくなりたかった。

だから見ないようにして走る。


「やしな?」


モリーに声をかけられる。


「モリー。ご、ごめん!トイレ行きたいから!」


それだけ言って走る。


あれ以上あそこにいたら
頭がおかしくなってしまいそうで。


トイレに駆け込むと同時に
あたしの目からは大粒の涙が出た。

あたしと丈は付き合ってるはずなのに。


あたしは今日買ったお土産を握りしめる。

これ。
渡す時が来るのかな?
丈と前みたいに戻りたい。

でも。
戻れない気がしてしまう。


丈をあたしだけのものにしたい。



それは。
〝独占欲〟


あたしは初めて抱くその感情にビックリしていた。

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